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エサのNPK

魚のエサの成分表示は、必ずしも詳細なものではなく、果たしてどれだけの窒素、リン、カリが含まれるのかは明らかではない。

が、ある程度の推測はできる。



魚のエサの主な原料は、フィッシュミール、小麦粉、脱脂大豆あたり。



フィッシュミールは要は魚肉や魚骨等を窯で炊いたもので、タンパク質に富む。

飼料用で流通するほか、肥料用としても流通する。中身はそう大差ないらしい。

肥料として使う場合の紹介文を見るに、窒素が8%、燐酸が6%程度といったところらしい。カリウムはほぼ無し。


脱脂大豆は、油を搾ったあとの大豆のカス。これも飼料又は肥料として流通する。

窒素、燐酸、カリをそれぞれ概ね7%、1%、2%程度含むらしい。


小麦粉は、薄力粉か強力粉かわからないが、食品成分表からはじけば、窒素は2%前後、燐とカリウムは少なく1%に満たない。


フィッシュミールをベースこれらを組み合わせれば、たいていの場合、窒素分が多く、燐酸はそこそこ、カリウムはちょびっとということになるだろう。



生体を含めた水槽全体としてみれば、窒素とリンは外部から供給されやすく、カリウムはそれらに比べ供給されにくいというのは間違いなかろう。



しかし、こういうエサが魚の体内を経由して、水槽の中にどういう比率で排泄されるのかはわからない。


窒素とリンだけうまく同化され、カリウムだけ排泄されたりするのだろうか。
まあそういうことは無いんだろうな。今日も硝酸塩はたまっていくわけだし。
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アレロパシー

アレロパシー(日:他感作用)とは、ある植物が発する化学物質が、他の生物へ影響を与える(成長を阻害するなど)現象のこと。

珍しいようで、実は一般的。多くの植物がアレロケミカル(アレロパシーをもたらす化学物質)となる成分を揮発させたり分泌している。

殴ったり噛みついたりといった物理攻撃手段を持たない植物だが、実は化学兵器を使ってライバルを蹴落とし、敵を退けているわけで、しばしば話のネタになったりする。

もっとも、この作用に注目した雑草抑制などの研究は昔から盛んに行われていたりする。


さて、水草の世界にはアレロパシー作用が存在するのか否か。

結論から言うと、ある。

ホザキノフサモ、マツモ、コカナダモの仲間、シャジクモ、狭義での水生シダ、セキショウのような挺水植物、はては植物プランクトン同士でもアレロパシー作用の確認例がある。掘り返すと論文は結構出てくる。

すべての水草を網羅的に調べているわけではなく、また研究の動機は水質改善や農漁業生産の向上であったりもするので、アクアリウムに即活用できるかというと、そうでもないかもしれない。

おそらく多くの水草、藻類が何かしらのアレロパシー作用をもたらすだろう。強弱や対象は別として。



アレロケミカルは植物の成長を阻害するだけでなく、殺菌作用をもっているものもある。

藍藻に対する阻害作用をもつものは、藍藻にとどまらず、細菌に対しての阻害作用も抱き合わせの可能性は高い。となれば、濾過システムへの影響も可能性としてはある。

また、有茎草→有茎草という阻害作用も想定されなくもない。であれば、食い合わせならぬ、植え合わせというのがあるかも。

藻類から有茎草への影響だって皆無とは言えない。

コケを押さえる夢の手法・アレロパシー…と、単純な話で終わるならみんな幸せだが、残念ながらそうではない感じ。


アクアリウムにおいてはこの分野は研究が進んでおらず、ほぼほったらかし。

なぜかコケが出にくいとか、なぜか濾過が不安定とか、水温・水質・光量・CO2もばっちりなのになぜか伸びないとか、理由不明の成功・失敗として、経験則の中に埋もれこんでいる気がする。
これを掘り起こすといいヒントが見つかるのかもしれない。

水替えはサボり気味(=栄養塩やや豊富)、照明時間は一般的、コケ取り生体も薬剤も特になし、だけどあまりコケないし、水草もいい調子。
そういう水槽が世の中に複数あるのだとしたら、そこに何を植えているかを把握していけば、コケたちを効果的に退けるアレロパシー作用を持った種(の組み合わせ)にアタリをつけられるかも。
机上の空論だが。





とりあえず手軽かつ手堅そうなのは、青水など藍藻由来のトラブルの際に、マツモやホザキノフサモなど藍藻を抑える効果のある種を入れてみると改善が見込めるかも、というくらいか。



そのうち、アレロケミカルを抽出(合成)して、生体にやさしいコケ取り薬として売り出す業者が出たりするのかな。

反射材

水槽照明を効率よく水槽内に導くべく、フードなどを改良・付加することが多い。

効率を求めるなら、反射率の高い素材を用いるべき。

最も高い反射率を誇るのはレーザー部品などで使われるもので99.99%とか。
光学屋さんの領域で、素人が簡単に入手できるものではなさそう。しかも高そう。
イオンビームスパッタリングで超高反射率を実現!とか言われてもよくわかんない。無理。


そこそこ一般的な材料の反射率の一覧は、

http://www2.panasonic.biz/es/lighting/sekkei/pdf/cc0412.pdf

↑こんなところに転がっている。


なるべくまっすぐ水槽へ光を投じたいなら…銀や電解研磨でピカピカにしたアルミ。とても身近なものとは思えない。というかアルミの電解研磨面は酸化してすぐにくすみそう。あまり現実的ではない。

多用されるアルミホイルは…アルミ:70~75%、アルミ箔20~30%、どちらに該当するだろうか。
箔になると反射率が下がるのは、表面処理上の問題と、薄い箔を幾分か光が透過するからか。
アルミホイルは箔と言えば箔だが、そんなに薄くもないので、アルミ地金と同等で扱っていいだろうが。
どちらにせよ、イメージと違いあまり効率がよくない。

拡散光でよければ、白系の素材が健闘している。

灯器反射面の白い塗装も、意外とよいのかも。


2012年、富士フィルムが反射率95%で、かつ軽量な樹脂フィルム状のミラーを開発している。太陽光発電やLED照明の反射材用途に使えるよう、早い時期の実用化を目指すと発表していた。

こういうのが安価に入手できるといいな。

ステンレス

美観向上や機械的強度の確保等を目的に、アクアリウムの配管などににステンレス材を用いる例がある。
特に強く進めるわけではないが、使いたい人は使えばよいと思う。目立った実害はないのだから。


ステンレスは鉄をベースにクロムやニッケルを混ぜた合金。

ただの鉄だと表面からどんどん酸化して錆が進行するが、クロム等を含んでいると表面に緻密で丈夫で薄い酸化被膜ができ、それ以上の腐食を防げる。便利な素材。



しばしば、ステンレスが持つ抗菌作用が、生物濾過に関与する微生物に影響を及ぼすのではないかとの指摘がある。

これは、たとえば、洗濯機の洗濯槽にステンレスを用いてカビの発生を抑制することを謳った製品があるなど、市販のステンレス製品からの連想だろう。

しかし、必ずしもステンレス=抗菌ではないことに留意したい。

抗菌性を示すステンレス製品には、意図的に、抗菌性を持つ成分である銀や銅を合金中に含ませたり、あるいは製品表面に抗菌性を持つコーティングを施したりしている。
あえてコストをかけて素材を改良し、付加価値商品として売り出している。

また、ステンレス(表面処理にもよるだろうが)はプラスチックに比べ汚れの付着自体が少なく、付着しても洗浄が比較的容易で、そのためにカビや雑菌の温床となりにくいというのもある。

このあたりがいろいろこじれて、ステンレス=抗菌というイメージが作り出されたのだろう。


アクアリウムの配管に用いるような一般的なステンレスパイプや、機材を保持するために用いるような一般的なステンレス線は、SUS304や316、430などがよく使われている(はず)だが、これらには銀や銅など、高い抗菌性を持つ金属は用いられていない。安価な製品であれば、価格を上げるような抗菌コーティングもされていない。ゆえに高い抗菌性は持ちえない。
汚れの付着が少ないのは、メンテナンス上は歓迎することはあれ、忌避することは無いだろう。


一方で、ステンレスの主成分である鉄やニッケル、クロムなどが、魚や植物へ影響を及ぼすことを危険視している人も多いかもしれない。

もちろん、ステンレスからこれらの金属が全く溶けださないとは言えないが、無視できる(金属アレルギーの魚でもいれば話は別だが…)ほど少量だ。
ステンレス自体は不動態被膜によって保護され、錆びにくい≒溶けにくい性質がある。ステンレス材から様々な成分が、どんどん溶出していって、系全体に有害な濃度で広がっていくというのは、生物が住めないような極端な酸性とか、ひどい水質でもない限り、あり得ない。だから食品や薬品の工場にも、我々が日々使う鍋釜・食器にも用いられている。
クロムと言えば、毒性の高さで名高い六価クロムを思い出すが、水槽内の環境ではそもそも発生し得ない。

それでも心配なら、不動態被膜の強化でもしてみればいい。
薄い(コンマ何%とかの薄さでよい)クエン酸の水溶液を60度程度に加温しながら、3時間か5時間か、ステンレス材を漬けておく。そうすると、部材表面から鉄のみがちょっと抜け、相対的にクロムの比率が高まる。
ステンレスの耐食性は、表面のクロムと鉄の比率が関与しているが、一般に、クロムの比率が高い方が耐食性が良い。つまり、クエン酸漬けにすることで耐食性が高まるわけだ。
大磯砂の酸処理ならぬ、ステンレス材の酸処理というわけだ。大磯砂の処理程には、必要性は感じられない気もするが…


ということで、淡水アクアリウムの配管などにステンレスを用いても、濾過や生体への影響は無いか、あったとしても無視できるほど軽微と考えてよいだろう。


当方は水槽内の給排水パイプや外部フィルターからの配管の一部に、市販のステンレス管を用いているが、水草・魚等への悪影響は特に見いだせない。
SUS304はもとより、耐食性に劣るとされるSUS430でも、特に錆が進行したり、配管の肉厚が減ってきている様子は見受けられない。間違ってステン巻きのパイプを使ったときはひどかったが。

少なくとも、水草であればモス、ミクロソリウム、グロッソ、バコパ、キューバパール、リシア、カボンバ、マツモ、アナカリス、ウオーターローン、有象無象のコケ(藻類)たちは問題なかった。
魚であれば、ギンブナ、ドジョウ、タナゴ類、モツゴ、ナマズ、メダカ類、スマトラ、ネオンテトラ、ラミーノーズ、クラウンローチ、プラティ、ゼブラダニオ、オトシン、ミナミヌマエビ、ヤマトヌマエビ、タニシ類あたりは問題なかった。

もともとは、コケや汚れの付着が減るのではないかと思ってステンレス配管にしたが、たしかにパイプの内側の汚れはつきにくくなっているものの、外側の水に触れる部分にはコケがお構いなしに生えてきてがっかり。

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